【開閉屋根】河口湖ステラシアター

「聴く」文化を伝えるシアターの誕生

1989年、山梨県 富士河口湖町で「五感文化構想」が持ち上がった。五感「視・聴・嗅・味・触」に訴えかけ、観光資源と文化・芸術を融合させたまちづくりが行われていくこととなる。1995年にオープンした河口湖ステラシアターは、「聴く」をテーマとした音楽文化の中核を担う施設として建設された。3,000人を収容するシアターの誕生により、多くの音楽コンサートやイベントが開催され、町民にとって音楽が身近な存在となった。

全天候型に生まれ変わった野外音楽堂

バックステージの富士山の眺望をシンボルとする野外音楽堂は、一方で、公演の開催の可否が天候に左右されるという課題を抱えていた。2005年、この課題を解決すべく、建設計画当時から現在までシアターを支え続けるマネージャー野沢の熱い想いのもと、屋根の設置の計画が始まった。野外音楽堂としての魅力を残すため、開閉屋根を採用。2007年、晴天時は屋根を開放して富士山と雄大な自然を望む野外音楽堂に、雨天時は屋根を閉じて屋内空間に姿を変える、全天候型シアターへと生まれ変わった。

他に類を見ない魅力、『選ばれる施設』へ

野外音楽堂と屋内施設の両方のメリットを併せ持つ施設は、国内では他に類を見ない。雨天中止の心配が解消されたことで、イベントの積極的な誘致が可能となり、観客動員や稼働率は飛躍的に向上した。クラシックからポップスまで幅広いジャンルの音楽シーンを届け、アーティストや音楽事務所や放送局、新聞社などから『選ばれる施設』として、その価値を高めている。

町が主体となった「音楽のまちづくり」

2020年、富士河口湖町は「音楽のまちづくり事業」を掲げ、シアターへのイベントの誘致にとどまらず、町が主体となって様々な音楽イベントを開催している。富士山・河口湖などの豊かな観光資源に加え、音楽を中心とした芸術文化活動を発展させることで、地域の更なる魅力向上を推進している。

全天候型シアターと地域活性化

イベント開催日には県外からも多くの人々が訪れ、町に大きな観光収入をもたらしている。イベントは町民によるボランティアによって支えられ、地元の飲食店や宿泊施設、公共交通機関等も一体となって盛り上がる。開閉屋根の設置前は年間の来場者が1万人に満たなかったステラシアターは、今では年間8万人を超える動員を誇る施設に姿を変えた。富士山や河口湖と並ぶ新たな「町のシンボル」のひとつとして、今後も地域の活性化に大きく貢献していくことだろう。

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株式会社横河ブリッジホールディングスと株式会社横河システム建築は、富士河口湖町「音楽のまちづくり事業」を支援しています。

施工概要

No. 90147
用途 音楽ホール
商品種別 Dome
建設地 山梨県
竣工 2007年06月
所在地 下記参照