特殊建築に関する良くあるご質問をまとめましたのでご一読下さい。
一般
Q 1:開閉式建物の用途としてどのようなものがありますか?
野球場・サッカー場などの大空間を持つドーム、学校のプールを覆うカイヘイくんなど大から小規模なものまで、また、動かす技術で数千トンの物を移動させることも可能です。
あらゆる施設の開閉、物の移動、回転などまずご相談下さい。
Q 2:開閉式建物にするメリットは?
屋根や壁はもとより建屋全体などを動かすことで得られる利便性と自然な風、外装に透明材を使用することによるクリーンな自然光を入れることによる、温熱効果高く、開閉による温度調整も可能な環境に優しい建物となります。
例として、公営運動公園の一般固定式屋内プールと、開閉式の弊社実績施設と光熱費の経済比較で、固定屋内施設の6割で済むとの報告が有ります。(旧建設省の調査資料による)
Q 3:開閉式建物の構造安全性については?
(1) 現建築基準法に基づき、更に旧建築基準法下で取得した大臣認定で認められた、可動・停止することに よる特殊な荷重、衝撃力・熱膨張による変形力・開閉時に異なる風荷重・地震など、基準法以上に厳しく決めています。
(2) 逸脱防止として鉛直方向の下向きー鉛直車輪で、上向きは吹上げ防止装置があります。
(3) 水平方向のスパン方向は水平車輪で、桁行方向は暴走防止装置があります。
Q 4:開閉式建物の使用安全性については?
プログラミングされた全自動制御としており、緊急停止以外は一切自動運転です。
開閉の停止位置には下部構造体に固定するピンを挿入固定し、暴走防止装置と合わせ脱線防止を図ります。
地震時など緊急停止時にはモーターの電磁ブレーキによる車輪回転停止やエンドストッパーなどの多重安全機構を備えています。
Q 5:計画上 開閉建物と下部構造体との関係は?
(1) 構造的に開閉屋根は、2ヒンジラーメン・アーチ・単純梁になると思いますが、水平反力が下部構造に及ぼす影響が大きいのでご相談下さい。
(2) 開閉パターンや操作方法により、電気・制御設計、給電設計に影響しますので、ご相談下さい。
(3) 建物の高さにより避雷設計も考慮する必要が有り、可動のため特殊になりますのでご相談下さい。
Q 6:工事実績はどの程度有りますか?
全国で152件の実績が有ります。実績表をご覧下さい。
法規関連
Q 1:改正基準法以降の開閉式建築物の取り扱い(法的位置付け)はどうなっていますか?
(1) 建築物として扱われ、開閉部分も建築面積に含まれます。
(2) 平成10年6月12日公布の法改正に伴い、平成14年1月11日付の国土交通省の事務連絡により、当該構造方法について認定を受ける必要がなくなりました。(弊社は既に、大臣認定取得済み)
(3) 但し、使用鋼材の一部に基準強度、許容応力度、材料強度の指定を受ける必要があるとの通知を受けました。
(4) その後、使用鋼材の一部について、法37条1項に適合するか、品質認定の申請し現在、材料の認定書・指定書を受領しています。
(5) 確認申請では、設計事務所に計算書、旧認定書、新認定書を提出しています。
Q 2:法37条1項(建築材料の品質)に規定されていない材料があれば、その扱いはどのようになりますか?(車輪、車軸、ベアリング、駆動装置等)
上記の認定は、主要荷重を伝えるレール、車輪、軸のみを対象としています。
ベアリング、モーター等の装置は含まれていません。
(装置類は種類の多さと単体に含まれる材料の多さから敢て触れていません)
Q 3:建物規模として、スパン、桁行長さ、GLからの最高高さの制限値は有りますか?
建築基準法に基づく範囲内で有れば、制限は有りません。
Q 4:特殊建築物扱いで耐火建築物仕様、並びに準耐火建築物仕様に対応できますか?
使用材料等の制限は有りますが、対応は可能です。
Q 5:安全管理基準等が有ればその内容をお知らせ下さい。(風速○m以上は開閉しない等、運用上の条件)
法規上は基準が有りませんが、弊社の旧認定では以下を規定しています。
(1) 瞬間風速15m/s以上は開閉しない。(但し、構造設計は開放、閉合とも基準法に沿った設計が必要)
(2) 開閉屋根の管理体制と操作時の人員配置を明確にする。
(3) 操作及び緊急時の対応マニュアルを作成し教育する。
(4) 日常点検、定期点検の計画をする。