ノエビアスタジアム神戸の開閉屋根は、2002年のサッカー日韓ワールドカップの大会終了後にあとから施工された。大会開催時はW杯規格の40,000人規模の収容能力を満たすためゴール裏に仮設スタンドを設置し一次オープンを迎え、大会終了後に仮設スタンドを撤去。超大型のクレーンによって、1枚でスパン90m×長さ35m、310~330トンもの重量のある合計4枚の屋根が両ゴール裏にわたって新たにかけられた。
屋根が走行する2本のキールトラスは、最大傾斜30度。大規模な構造体を重力に逆らいながら動かすこととなるが、開閉の操作は非常に簡単だ。専門技術者による操作の必要はなく、施設管理者によるボタン操作のみで片道わずか20分で屋根の開閉が可能である。開閉にかかる費用は電気代にあたる約5,000円程度のみ。天候やシチュエーションに応じ、簡単に屋根を動かすことができる。
開閉屋根は、天然芝ピッチのコンディション管理にも活用されている。一般的には日照の確保や雨天時の屋根の閉合などによる活用を連想するだろう。しかし、本施設では夏場と冬季に開閉運転の頻度が大幅に増えている実績はあまり知られていない。7~9月の夏場は正午前後に高温から芝を守るピークカット運転、1~2月の冬季は放射冷却などによる霜対策のために屋根が開閉されているのだ。芝の保護には寒冷紗を引くなど人海戦術による対応が一般的だが、本施設では作業労務の軽減や作業時間短縮に開閉屋根が活用されている。
No. | 90124 |
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用途 | スタジアム |
商品種別 | Dome |
開閉パターン | 勾配移動方式 |
駆動方法 | ワイヤートラクション式 |
建設地 | 兵庫県 |
竣工 | 2003年03月 |
所在地 | 下記参照 |