愛知県豊田市にあります「豊田スタジアム」の開閉屋根です。
建物は、市制50周年を記念して計画された球技専用のスタジアムです。
可動席含めて席数は約44,000席あり、国内の球技専用スタジアムとしては埼玉スタジアム2002に次いで2番目の大きさとなる大型スタジアムです。
場所は、矢作川沿いの中央公園内にあります。
YouTube 「豊田スタジアム 開閉屋根 空撮2013(開閉式屋根駆動システム)」空撮
開閉屋根は、幕によるエアマットを屋根材に用い、かつ開閉にはラック&ピニオンによってアプト式電車の様に自走する世界的にも大変ユニークな機構の開閉屋根です。
可動部屋根の梁スパンは92.0mあります。
新幹線の「のぞみ」車両で例えると、鼻先から約3両半ぐらいの長さです。
そして固定屋根両側のキール上には歯形のラックレールが設けられて、14本ある可動屋根の梁が順に走行して行きますので、可動部規模の大きさが分かります。
可動屋根は北側(写真左方向)が固定されていて、南側(写真右方向)へと広がって屋根が閉じます。
屋根開閉機構の撮影です(東側スタンドから西側固定屋根キールを撮影)
屋根の開閉はすべての幕を同時に畳むのでは無く、右端から順にV字に幕が畳まれて開いてゆきます。
V字に畳む可動部です
屋根上側から見た端部の走行台車です。
スパン92mある可動屋根トラス梁の左右両端に走行台車が設置されており、連結された車両の様に屋根上を走行します。
屋根がアーチ状になっていますので、モーターパワーで上り、下る際には電磁ブレーキをかけて走行させます。
走行台車点検時の撮影です。人に対して、屋根の勾配や走行台車の大きさが良く分かります。
これだけ大きな装置が高所となる屋根の上に設置されていますので、2重3重の安全策が施されており、高度な技術が必要である事が理解いただけると思います。
この様な高度な大型構造物の可動建築技術を持つ企業は世界的にも少なく、横河が誇る技術の一つとなります。
No. | 123 |
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用途 | スタジアム |
商品種別 | Dome |
開閉パターン | 折りたたみ方式 |
駆動方法 | ラック・ピニオン式 |
建設地 | 愛知県 |
竣工 | 2001年6月 |
所在地 | 下記参照 |