【可動庇】日産スタジアム

貴賓席を覆う可動庇

2002年のサッカー日韓ワールドカップの開催時の天皇皇后両陛下のご来場を見据え、日産スタジアムのメインスタンド側に位置する来賓席の上部に可動庇が設置された。付近にはロイヤルボックスシート(VIP席)や記者席も設置されておりスタンド上部には固定屋根があるものの、雨天時には風により雨がスタンドへ吹き込む。可動屋根の設置により、天候の心配がなく快適な観戦が可能となった。

厳しい建築制限をクリア

日産スタジアムの可動庇は上段スタンドからピッチレベルへの視界、下段スタンドから大型ビジョンへの視界双方を妨げないよう定められた厳しい条件を満たすよう、緻密に設計されたデザインとなっている。3枚のパネルからなる可動庇は、普段は2階スタンド部に設置されたレールに沿って格納されている。

雨が降ると可動庇が2階スタンドから5.5mの位置まで滑り出るような形で現れる。パネルには透明のポリカーボネートが採用され、観客の視界を遮ることなく機能している。

限られた工期での施工

全長約146m(うち可動庇 約94m)にわたる庇は約2ヵ月という短工期で施工された。一般的に、同規模の工事には4ヵ月ほどの工期が求められる。しかしながら、当時の同施設ではJリーグの試合に加え元旦には天皇杯決勝戦が開催されていたため、1月~2月末までのシーズンオフの限られた期間に可動庇が施工されることとなった。

施工概要

No. 90120
用途 スタジアム
商品種別 Culture&Eco.
開閉パターン 水平移動方式
駆動方法 ジャッキ式
建設地 神奈川県
竣工 2000年03月
所在地 下記参照