ピアニスト 辻井伸行

寄り添いあいながら

協力と成功

今、最も勢いに乗るひとり、ピアニスト辻井伸行。
今年も、3回目の開催となる富士河口湖ピアノフェスティバルのピアニスト・イン・レジデンスとしてステージに立った。

最初の1年目、2年目はコロナ禍で限られた中での開催となったが
「来場されたお客様が大変喜んでくれた。なにより町全体、ボランティアの皆様が協力して下さったおかげで成功できた」と語り、
辻井のピュアで一途な心根がふと覗かせた。

そして、新型コロナウイルス感染症も終息して迎えた3回目の開催。
待ち望んでいた、海外からアーティストを呼ぶことが叶った。
「ファジル・サイさんにもいらしていただけて、素晴らしいフェスティバルになった」
とピアノフェスティバルの骨格の一部を実現できたことを素直に喜んだ。

また、辻井の実現したかった音楽教室も3回目となる。
音楽のまちづくりの一環として是非やりたかった。
辻井の肝いりの企画だ。
この音楽教室、辻井自身も初めての経験であった。
「1回目、2回目と不安な部分もありましたが、3回目にして自分自身も子供たちと一緒に楽しんで音楽を創り上げることができた」
と振り返った。

次の世代のことも考える、これは優れた音楽家の仕事なのかもしれない。
辻井自身も河口湖町の純粋な子供たちと接することでパワーをもらい楽しめた。

辻井は、3回の大成功を収めたピアノフェスティバルが、世界中に広まっていると思っている。
「富士山という世界的にも有名な場所で、世界中からアーティストを呼んで、
世界からもファンの皆様にいらしていただきたい」と言う。

自分自身で確かめてきた3年間。辻井は語った。
「このフェスティバルは本当に様々な方々のご協力のおかげで成り立っているので、
 皆様と一緒に更に大きく発展させていけたら良いなと思っています」

辻井は、ピアノフェスティバル4回目以降のプレッシャーはあるという、
でもそれよりワクワクしていた。

一覧に戻る